東京ゲームショウ2026の「タダのノベルティ」転売は儲かるのか——メルカリの売り切れを171件数えたら中央値1,480円、当たりの1点だけ9,999円だった【2026年版】
東京ゲームショウ2026のノベルティ転売は儲かるのか。メルカリの売り切れ171件を数えると中央値1,480円、FFレゾナンス試遊特典だけ中央値9,999円。手数料・送料・入場料を引いた手残りを実測で検証しました。
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東京ゲームショウ2026(2026年9月17日〜21日・幕張メッセ)で配布されたノベルティが、フリマアプリに次々と出品されました。ITmedia NEWSは9月18日、**「東京ゲームショウのグッズがメルカリに続々出品 『ビジネスデイなのに』など批判の声」**という記事を公開しています(同日正午ごろの確認・ITmedia NEWS)。同じ趣旨の記事はインサイド(9月17日)とGameBusiness.jp(9月18日)も出しています。
タダでもらった非売品が、その日のうちに1万円で売れる。元手ゼロで利益が出る話に見えます。では実際にいくらで売れて、いくら残るのか。メルカリの「売り切れ」だけを1件ずつ数えて、手数料と送料を引いた手残りまで出しました(2026年9月21日時点の実測)。
先に結論:ウワサと現実の対照表
| ウワサ | 検証結果 |
|---|---|
| 「TGSのノベルティは1万円で売れる」 | 一部だけ本当。売り切れ171件の中央値は1,480円。1万円級は特定の1商品に集中 |
| 「1万円級はどれ?」 | FFレゾナンスの試遊特典。売り切れ134件を数えて中央値9,999円(最安3,333円・最高17,800円) |
| 「紙袋なんてタダの袋」 | 紙袋(ショッパー)だけでも売り切れ5件、中央値1,000円 |
| 「元手ゼロだから全部利益」 | 違う。ビジネスデイは招待コードが無いと入場16,500円、一般公開日は1日券3,000円 |
| 「誰でもビジネスデイに行ける」 | 行けない。事前審査があり、18歳未満と学生は入場不可(公式) |
| 「タダの物だから売って自由」 | 会社ごとに違う。景品の「フリマアプリ等への出品」を禁止と書いた会社もある |
そもそも:東京ゲームショウとノベルティ
東京ゲームショウは、日本最大級のゲーム見本市です。2026年は9月17日(木)〜21日(月・祝)の5日間の予定で、会場は幕張メッセでした。
重要なのが日程の前半と後半で入れる人が違う点です。
| 日程 | 区分 | 入れる人 |
|---|---|---|
| 9月17日(木)・18日(金) | ビジネスデイ | ゲームビジネス関係者のみ(事前審査あり) |
| 9月19日(土)・20日(日) | 一般公開 | 誰でも(チケット必要) |
| 9月21日(月・祝) | 一般公開の予定 | 台風25号の接近で終日中止 |
主催者の公式発表によると、9月21日は「台風25号の接近に伴い、午後以降に風雨がさらに強まり、交通機関への影響も懸念されることから、ご来場の皆さま、出展社および関係者の安全、ならびに安全な帰宅を最優先に考慮し、終日の開催を中止する」と決定されました(発表は9月19日)。21日来場分のチケットは払い戻しが実施されます。
結果として会期は4日間になり、公式発表の来場者数は257,642人(9/17=53,630人、9/18=52,545人、9/19=78,678人、9/20=72,789人)でした。前年の東京ゲームショウ2025は263,101人で、5,459人減という数字です。
ノベルティとは何か
各社のブースでは、来場者に配布物が渡されます。ステッカー、うちわ、クリアファイル、紙袋(ショッパー)、トレーディングカードなどです。お店では売っていない非売品で、その日その場所に行った人だけが手に入れられます。この「お金を出しても買えない」という性質が、フリマでの値段を作っています。
騒動の中心になったのは、一般の人がまだ会場に入れていないビジネスデイの初日に、配布物がもう出品されていたという点でした。だから「本当に『ビジネス』なの?」という批判になったわけです。
検証①:メルカリの「売り切れ」を171件数えた
ここからが自力の実測です。ポイントは出品中ではなく売り切れだけを見ることです。出品中は売り手の言い値なので、1万円と書くだけなら誰でもできます。実際に売れた値段でなければ、儲かるかどうかの答えになりません。
「東京ゲームショウ 2026」と「TGS2026」の2つのキーワードで、ステータスを「売り切れ」に絞って新しい順に取得し、重複を除いて171件を集計しました。
| 項目 | 実測値 |
|---|---|
| 数えた売り切れ | 171件 |
| 中央値 | 1,480円 |
| 平均 | 2,377円 |
| 最安 | 300円 |
| 最高 | 12,499円 |
| 下位25%(Q1) | 800円 |
| 上位25%(Q3) | 3,333円 |
先に限界を書いておきます。 メルカリの検索結果は1ページあたり約116件までしか読み取れないため、この171件は「少なくとも171件」という下限です。実際の総数はこれより多くなります。中央値・価格の分布については十分な標本ですが、「全部で171件しか売れていない」と読まないでください。
分布を見ると、ノベルティ転売の実体はほぼ千円台です。商品名に「ノベルティ/配布/非売品/試遊/ショッパー」などが入る46件に絞ると中央値は1,155円でした。1万円級はごく一部で、GTA6のTシャツ(11,200円・11,999円)、LEGOバットマン(6,999円・7,999円)、バイオハザード関連(6,500円・6,900円)などが上位に並びます。
紙袋(ショッパー)だけで1,000円
「紙袋」に絞った売り切れは5件で、中央値は1,000円でした。ITmediaもパルワールドのショッパーについて20点以上の出品を確認したと報じています。普段なら捨ててしまう手さげ袋が、「その日その場所でしか手に入らない袋」になると値段がつく、という構図です。
検証②:当たりの1点だけ、けた違いだった
ITmediaは、スクウェア・エニックスの新作「ファイナルファンタジー レゾナンス」の試遊特典(レトロパッケージ風BOXとPRカード)が1万円前後の価格で40点以上出品されていた、と報じました(9月18日正午時点)。
では、その言い値で本当に売れたのか。同じ手順で「売り切れ」だけを数えました。他フランチャイズの「レゾナンス」や過去のイベント品を除外し、TGS2026の同商品に絞った結果です。
| 項目 | 実測値 |
|---|---|
| 数えた売り切れ | 134件 |
| 中央値 | 9,999円 |
| 平均 | 10,095円 |
| 最安 | 3,333円 |
| 最高 | 17,800円 |
| 下位25%(Q1) | 8,000円 |
| 上位25%(Q3) | 12,888円 |
| 134件の合計 | 約135万円 |
言い値の1万円は、現実の成約価格でもありました。 これは正直に認めるべき数字です。ただし同じ商品でも最安3,333円から最高17,800円まで5倍以上開きます。箱にへこみがあるもの、PRカードが付かない「箱のみ」はやはり安く売れています。
なぜこの1点だけ高いのか。試遊した人だけがもらえるという条件と、配布数の上限があったからです。欲しい人の数に対して物が少なければ値段は上がります。逆に、誰でももらえるステッカーや紙袋は千円前後にとどまります。
収支:1個売って手元にいくら残るか
メルカリの販売手数料は販売価格の10%です。送料は、小さな箱とカードならネコポス(らくらくメルカリ便)の全国一律210円が使えます。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 売れた値段(中央値) | 9,999円 |
| 販売手数料10% | -1,000円 |
| 送料(ネコポス) | -210円 |
| 手残り | 8,789円 |
仕入れ代は0円なので、1個で8,789円が残ります。中央値1,480円の一般的なノベルティなら、1,480円 - 148円 - 210円 = 1,122円です。
ただし「元手ゼロ」ではない
ここが一番見落とされるところです。会場に入るお金がかかります。
| 入場方法 | 費用 |
|---|---|
| ビジネスデイ(招待コードあり) | 無料 |
| ビジネスデイ(招待コードなし・スタンダード) | 16,500円 |
| 一般公開日 1日券 | 3,000円 |
| 一般公開日 特別割引チケット | 1,500円 |
| 小学生以下 | 無料 |
一般公開日の1日券3,000円なら、8,789円の当たりを1個引ければ元が取れます。一方、招待コードを持たずにビジネスデイへ行くと16,500円かかり、手残り1,122円のノベルティなら15個売らないと赤字です。これに電車代と、朝から夕方まで会場にいる1日分の時間が乗ります。
しかも試遊特典はひとり1個が基本で、配布数にも上限があります。人気ブースの試遊は行列になり、1日並んで1個という現実があります。「134件で135万円が動いた」という数字は、百人以上が分け合った合計であって、ひとりの取り分ではありません。
都合の悪い話:規約と批判
会社ごとに決まりが違います。 ITmediaによると、LINE GAMEは特設サイトで景品について「フリマアプリ等への出品」を含む転売行為を禁止しています。一方、東京ゲームショウ公式の来場者向け注意事項に、ノベルティ転売を明示的に禁止する記載は確認できませんでした。つまり全社が同じ規約を出しているわけではなく、配布物ごとに書かれている条件を読む必要があるということです。
禁止と書かれている景品を出品した場合、法律違反ではなく「会社との約束を破る」ことになります。フリマアプリ側の対応としては、規約違反の出品は見つかりしだい削除され、繰り返せばアカウントの利用制限につながります。売り場そのものを失うリスクです。
そして今年は、最終日の9月21日が台風25号で中止になりました。その日に行って配布物を受け取る計画は成立しません(チケットは払い戻し)。天候ひとつで在庫がゼロになる、という不確実性もあります。
なお、副業の利益が年20万円を超えると、会社員でも確定申告が必要です(国税庁 No.1900)。1個売って終わりなら関係ありませんが、数をこなす人には関わってきます。
まとめ:数字はこうだった
- メルカリの売り切れを171件数えて、中央値は1,480円。ノベルティ転売の実体はほぼ千円台
- 紙袋(ショッパー)だけでも売り切れ5件・中央値1,000円
- 1万円級は特定の1点に集中。FFレゾナンス試遊特典は134件・中央値9,999円・手残り8,789円
- ただし元手ゼロではない。ビジネスデイは招待コードなしで16,500円、一般公開日は3,000円
- ビジネスデイは事前審査あり・18歳未満と学生は入場不可。学生の小遣い稼ぎという選択肢は最初から無い
- 開催は年1回。2026年はすでに終了し、9月21日は台風で中止
当たりの1点は確かに8,789円残ります。問題は金額ではなく回数です。年に1回、現地に行って並んで、ひとり1個。これを「稼ぎ方」と呼べるかどうかが、この検証の答えになります。
【2026年9月追記】ほかの「非売品・限定グッズ転売」の数字
同じ「売り切れ・売却済みを1件ずつ数える」手順で、ほかの限定グッズも検証しています。
- くら寿司×ちいかわコラボ景品の転売:景品フィギュアの中央値は1,000円で、手取りは690円でした
- ポケカのメルカリ出品禁止と転売の現実:メルカリが出品を禁止した後、取引がヤフオクに移り、1BOXの中央値は17,399円から22,999円に上がっていました
- ラブブ転売はまだ儲かるのか:定価1,760円に対してメルカリの売却済み中央値は3,000円。人気のぬいぐるみは定価割れでした
年1回・ひとり1個という回数の壁は、転売ではなく「自分で作って何度でも売る」側に回ると外れます。在庫を持たない例として、Canvaテンプレートを3ヶ月販売した実数も出しています。なお、ノベルティの売却益も含めて副業の所得が年20万円を超える会社員は、確定申告の判定方法を確認しておいてください。
出典
- ITmedia NEWS「東京ゲームショウのグッズがメルカリに続々出品 『ビジネスデイなのに』など批判の声」(2026年9月18日)
- インサイド「『東京ゲームショウ2026』初日はビジネスデイなのに、現地配布のノベルティがメルカリで多数出品」(2026年9月17日)
- GameBusiness.jp 同記事(2026年9月18日)
- TOKYO GAME SHOW 2026 公式 9月21日開催中止のお知らせ(2026年9月19日)
- ファミ通「東京ゲームショウ2026の来場者数」(2026年9月20日)
- GAME Watch「東京ゲームショウ2026 ビジネスデイ事前登録」(2026年7月30日)
- GAME Watch「東京ゲームショウ2026 チケット情報」(2026年7月8日)
- メルカリ ネコポス(らくらくメルカリ便)
- 国税庁 No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人
メルカリの件数・中央値は2026年9月21日に筆者が「売り切れ」の検索結果を1件ずつ取得して集計した実測値です。検索結果は1ページ約116件が上限のため、件数は下限値として扱っています。